第38話大嫌い

「悪い奴……?」ジェームズは足をぴたりと止め、振り向きざまにシャーロットを見据えた。

シャーロットはぱちりと瞬きをし、一瞬、ジェームズを夫と見間違えた。何も言わず、ただ手首を持ち上げ、そこに残る痕を見せる。

ジェームズの目つきが陰った。彼はそっと指先で赤い痕をなぞる。「痛むのか?」シャーロットがこれまで聞いたことのないほど柔らかな声だった。

ぼんやりしたまま、シャーロットはうなずく。「すごく……痛い」

それを聞くと、ジェームズは背後のボディガードに手で合図し、シャーロットを抱き上げてマーティン邸へ連れ帰った。

屋敷は静まり返っていた。エマはもう眠っており、ジェームズの帰りを待っていた...

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